【要約・レビュー】進化する勉強法[竹内龍人] 心理学が裏付ける科学的勉強法のすべてを解説!

要約・書評・レビュー
【要約・書評・レビュー】進化する勉強法: 漢字学習から算数、英語、プログラミングまで [竹内龍人]

『進化する勉強法』レビュー

進化する勉強法』は、心理学教授の竹内龍人さんの書いた、最新の科学的根拠に基づいた効率的な学習法を紹介する本です。

世の中で紹介されている勉強法は、一見すると効果がありそうに思えても、科学的には非効率なものも多くあります。

例えば、間違った勉強法には、

  • 忘れないうちに復習をする
  • 長時間集中して勉強する
  • 四当五落(睡眠や休憩時間を削って根性で勉強)

などがあります。

本書では、このような「効果がありそうに見えて実は非効率な勉強法」ではなく、最新科学の研究をもとに、「一見するとあまり効果がなさそうに思えて、実は非常に効果的な学習法」が数多く紹介されています。

つまり、本書を読むことで、多くの人が常識だと思いこんでいる間違った勉強法から脱却し、知っている人だけが得をする勉強のテクニックを身に付けることができるのです。

  • 効果的な復習のタイミングはいつ?
  • やる気がでないときの科学的な対処法は?
  • 短い学習時間でも大きな成果を出す方法は?
  • 科学的に正しいノートのとり方は?
  • 勉強を先延ばしにしてしまうのはなぜ?
  • テストでの不安をなくし、本来の力を十分に発揮する方法は?

など、知ってすぐに使えるテクニックが紹介されています。

私自身も、本書で紹介されているノウハウをいくつか実践し、知識の定着度が上がったことを実感しています。

また、メンタリストDaiGoさんも本書を推奨しており、実際にDaiGoさんの書籍や動画でも、本書に出てくる研究データやテクニックがいくつか紹介されていました。

本書は、自分の学習に生かすのはもちろんのこと、受験や資格試験、子供にノウハウを実践させ、成績をグンとアップさせるためにも、非常に役立つ本です。

進化する勉強法: 漢字学習から算数、英語、プログラミングまで
竹内 龍人
誠文堂新光社
239ページ
進化する勉強法: 漢字学習から算数、英語、プログラミングまで

『進化する勉強法』の要点

要点1

人の脳が学習する仕組みは、大人も子供も共通であり、時代や社会、環境が変わっても不変である。さらに、この仕組みは、性別にも、生まれつきの才能や経済力にも左右されない。

要点2

この脳の学習する仕組みを理解すれば、どんな環境でも、歳をとっても、効率的に学習をすることができる。

要点3

1万時間の法則は間違いで、やみくもに長時間勉強しても効果が低い。時間や分野を区切った「分散学習」が科学的に効率的な勉強法である。

要点4

不安を減らすことや睡眠、休憩のとり方など、勉強以外のメンタル面の管理が勉強効率を上げることに大きく貢献する。

『進化する勉強法』要約・書評

子供の成績を上げるために知っておくべき3つのこと

IQは成長とともに変化する

人の頭の良さを表す指標に「IQ(Intelligence Quotient)」があります。IQといえば、生まれつきの才能だと思っている方も多いと思います。

ところが、最新の科学の研究ではIQは生まれながらに変化することがわかっています。

あるイギリスの研究では、4年間のIQの変化を測定したものがあります。この研究では、最大20もIQが上がった人もいれば、IQが下がってしまった人もいました。そして、IQの変化には、脳の細胞体の密度(運動性言語野の灰白質密度)が変化していました。

つまり、脳を鍛えることで、IQも上げることができるということです。

それでは、脳はどのように鍛えることができるのでしょうか?ここが一番知りたいところですよね。

脳を鍛える方法には、いくつかの要因があります。

  • 新しいことを始める
  • 規則正しい生活
  • 十分な睡眠
  • 運動
  • 人とのコミュニケーション

この中で、特に重要なのは「新しいことを始める」です。

人は、新しいことを始めると、脳の神経細胞(ニューロン)をつなぐ回路が増えていくと考えられています。この変化が、IQの向上に寄与しているようです。そして、これは若い人だけでなく、歳をとっても同じように脳が変化することがわかっています。

その他にも、運動は脳に必要な栄養素を作ったり運んだりすることに不可欠です。睡眠によっても、脳は大切な知識を定着・連結させ、脳の構造を正常に変化させる働きがあります。

自己コントロール能力は、IQよりも成績に影響する

IQは、人の頭の良さを表す指標のひとつですが、実は、IQ以上に人の成功に影響する大きな要因が科学的に確認されています。

それは、「自己コントロール能力」です。

自己コントロール能力とは、ざっくり言えば、自分の衝動をおさえる力です。

今やりたいことを我慢して、自分の長期的な目標に向かってコツコツ積み上げていく力のある人は、当然ですが、何をやっても三日坊主で、やるべきことよりも遊びや怠け心を優先してしまう人よりも成功しやすいということです。

例えば、ゲームやスマホを我慢できない、ダイエットや運動がいつも続かない、衝動買いが多いという人は、自己コントロール能力が低いことになります。

米国で行われた研究では、このような自己コントロール能力が低い人は、いくらIQが高くても、社会的に成功する確率が低くなってしまうということがわかっています。

ここでの社会的な成功とは、経済的成功(収入)や、健康度などを総合したものです。

自己コントロール能力が低いと、将来、経済上の問題を抱えやすく、健康面でも不安を抱えやすいということです。

さらに、高校生を対象にしたアメリカの研究では、定期テストの成績はIQよりも自己コントロール能力に大きく影響されているという結果が出ています。

つまり、いくらIQが高くても、自分の衝動を押さえるのが苦手な人は、テストの点数も低くなってしまうということです。

そうは言っても、自分の衝動を押さえるのは難しいよ!ついついお菓子は食べてしまうし、スマホだって手に取ってしまう。。というのが本音ですよね。

しかし、安心してください。自己コントロール能力はIQと同じように年齢とともに変化することも研究でわかっています。

本書には、自己コントロール能力を鍛える方法は記載されていませんでしたが、私が今まで読んできた本から学んだ知識をご紹介したいと思います。

自己コントロール能力を鍛える方法
  1. 小さな成功体験を積み重ねる
  2. 小さく始めて習慣化する
  3. 現状と未来を対比して考える

小さな成功体験を積み重ねる

自己コントロール能力を鍛えるには、まず、衝動をおさえきれず、「自分は何をやっても長続きしない三日坊主だ」という自己認識を少しずつ変えていくことが大切です。

そのために、何よりも小さな成功体験を積み重ねていくことが大切です。出来なかったことや失敗の数を数えるのではなく、小さくても、できたことをひとつひとつ数えて実感していきます。

出来ないこと、失敗したことは、今までの癖だから、当たり前のことです。落ち込んだり、自分を悪く思う必要はありません。当たり前なのですから。

しかし、少しでも新しいことができたら、それは当たり前じゃないことですから、すごいことです。そこで、「自分、すごいじゃん!」と実感していくのです。

小さく始めて習慣化する

目標に向かってなにかを習慣化することも、自己コントロール能力を鍛えるのに大きく貢献します。

何かを習慣化するには、

  1. 目標を立てる
  2. 目標に向かってやるべきことを明確化する
  3. やるべきことを細分化する
  4. その日やるべきことを積み重ねる

このような4つのプロセスが必須です。つまり、長期的な視点と、日々の積み重ねがないと習慣化には失敗します。この2つは、まさに自己コントロール能力そのものです。

なので、目標に向かって習慣化する力をつけることは、自己コントロール能力を鍛えることとイコールでもあるといえるでしょう。

現状と未来を対比して考える

衝動を我慢できない理由のひとつとして、多くの場合は、今この瞬間の視点しかなくなっていることが挙げられます。衝動に負けるときは、未来へ向かった長期的な視点がないのです。

そこで、やるべきことがあるのに、なかなか手を付けられないときは、今これをやった場合と、やらなかった場合とで、自分の未来がどの様になるかを想像して対比することが効果的です。

さらにポイントとしては、ここで想像する未来は、衝動に負けた場合は、できる限り最低最悪の状況をイメージし、勝った場合は、最高の未来を想像することです。

例えば、高校生が今やるべき勉強をしなかったとしましょう。

その場合、最低最悪の場合は、受験に失敗して、行きたくなかった大学に進学。そのせいで大学生活にやる気が出ず、何をやっても中途半端になる。その結果、就活にも失敗。ブラック企業に入ってしまい、どん底の人生になる。

逆に、誘惑に打ち勝って勉強した場合は、志望校に無事合格。充実した大学生活を過ごし、そのおかげで有利に就活を進められ、一流企業に就職。自分の実力を十分に生かして高収入の生活を実現している。

などです。ここまで考えると、今の行動が未来を左右する大切な別れ道であると実感でき、衝動に打ち勝つことが出来ます。

もちろん、未来は必ずしもここでイメージした通りに進むはずも、進む必要もありません。大切なのは、今この瞬間に発生している衝動に打ち勝って、本来やるべきことをやり、自己コントロール能力を鍛えることです。そのために、イメージの力を利用するのです。

成績を褒めると、子供の成績は下がる

子供の成績を褒めることは、親であれば常識であると考えられているものです。

しかし、親が子供の成績を褒めることは、子供にとって悪影響であることが科学の研究で明らかにされています。

アメリカの研究では、子供の能力そのものや成績を褒めた場合、ネガティブな効果が生まれることがわかっています。ここでのネガティブな効果とは、カンニングをしたり、点数を水増しするなどの嘘を付く、努力をしなくなる、などです。

この結果に対しての見解は、人は生得的な能力(生まれ持った才能)を褒められると、その評判を崩さないようにするために、失敗することを避け、簡単にできることしかしなくなり、チャレンジ精神を失うからだと言われています。

例えば、子供に「頭が良いね」と褒め続けていると、子供は頭いいから褒められると認識します。すると、頭が悪いと思われる事があれば、自分は褒めてもらえない=価値がないと感じるようになってしまいます。

最終的には、あらゆる手を尽くして自分の頭をよく見せようとするため、

  • できるレベルの問題にしか取り組まない
  • 失敗することを避ける
  • 勉強から逃げ、「頭が良いから本当はやればできるんだけどね」と言い訳する

といった行動を取るようになってしまいます。

このような悪影響を避けるためには、成績や才能ではなく、パフォーマンスを褒めることが良いとされています。

例えば、「よく頑張ってえらい!」「今回の努力は素晴らしい!」など、成績ではなく、その過程である努力や頑張りを褒めます。このことで、子供はもっと頑張ろう、努力しようと意欲を持つようになるのです。

これは、子供に限らず、大人にも言えることです。会社の部下や同僚、家族や自分自身に対しても、結果ではなくその過程を褒めていくことは、次の努力やチャレンジにつながり、人間の成長に大きく貢献するようになります。

『進化する勉強法』まとめ

進化する勉強法』について、要約・レビューを書いてきました。

本書は、最新科学の研究から、年齢にも環境にも関わらずに成果を効率的に上げる勉強法を数多く紹介しています。

本書を読むと、世間では当たり前のように行われていることは、実は非常に非効率であったり、悪影響を及ぼすものであったりすることに気づけます。

間違った方法を捨て、科学的に正しい方法を積み重ねていくことは、学習面だけでなく、社会的な成功にもつながっていく大きな要因となります。

本書では、この記事で紹介できなかった数々のテクニックが掲載されています。

  • 短時間でテストの点数を上げたい
  • 子供のやる気を引き出したい
  • 効率的なノートのとり方を知りたい
  • プレッシャーに負けずに実力を出す方法を知りたい
  • 先延ばしをやめたい

などなど、このようなテクニックを知りたい方は、ぜひ本書を手にとってみてください。

進化する勉強法: 漢字学習から算数、英語、プログラミングまで
竹内 龍人
誠文堂新光社
239ページ
進化する勉強法: 漢字学習から算数、英語、プログラミングまで